Friday, November 7, 2014

暇つぶし、あるいはForaging


 
<飼鳥の暇つぶしについて>
 
ケージの中で大半の時間を過ごす飼い鳥は、とにかく”暇”です。
いくつかの問題行動は、この”暇”が原因のこともあります。
もちろん病気が原因のこともあるので、すべての問題行動が暇から来るとは限りません(かかりつけの獣医に必ずご相談ください)。
 
最近では、この暇つぶしに、Foraging(餌探し行動、採食行動)をさせる、という方法を用いられることがあります。
 
では、このForagingって一体何でしょう?
Foragingというのは、英語の動詞、forageにingをつけた、動名詞です。
もともとforageは、馬の餌である”まぐさ”、”かいば”または、”食べ物などをうろうろと探しまわる”ことをいいます。
 
ですから、私が、食べ物を探して部屋の中をウロウロと探し回っていたとすると、
 
Dr. Makino is foraging for food in the room.
 
となるわけです。
 
現在、このforage、餌探し行動をフォージング(forging)と言っているようですが、これは間違い
Forgingは偽造、鍛冶という意味なので、全く違います!!
 
Foragingの発音をカタカナにすると、フォーリジング。
間に”リ”を入れてください(わざわざ英語にする必用もないので、餌探し行動で良いかと思いますが・・・)。
 
それはさておき、
野生下のインコ、オウムがどのくらいの時間をこの餌探しに費やしているか、ご存知でしょうか?
 
清書によると、野生のアカクサインコは一日の67%を採食行動に費やし、たったの7%のみ、休息時間にあてていたそうです。
 
エサ箱にいつも餌がある飼い鳥と比べて、かなりの時間を餌探しに費やしていますので、暇がない!
 
では、飼い鳥にも餌を探す行動をさせれば、問題行動も減るのではないかと考えられた方法が、この餌さがし行動、フォーリジングです。
 
餌探し行動は、いろいろありますが、トップの写真にあるように、何かの入れ物に餌が通るだけの穴を開けて、転がすこにより、餌を少しずつ出せるように工夫する方法などが挙げられます。
 
点眼瓶のなかにシードが入っており、底に穴を開けて、シードが少しずつ出るようにしています。
 
今回、餌探し行動にチャレンジしたのは、コザクラインコのすももちゃん。
最初は、トップの写真のように遠巻きに見ていましたが、数分すると慣れて、ブンブン振り回しながら、中のシードを出していました。
点眼瓶で遊ぶスモモちゃん。カメラを向けると緊張してしまいました。
 
餌探し行動で、一番気をつけなければならないのは、容器が安全であることです。
尖っていたり、飲み込んでしまうようなものでは、かえって危険です。
鳥によって、使えるものと使えないものがありますので、分からなければ、かかりつけの獣医さんにお尋ねください。