Thursday, July 18, 2013

2012年イリノイ大学留学-----イリノイ大学、WEAMSについて、イントロダクション-----

大学の中心部にあるシンボル的な銅像

2012年6月から6ヶ月間、アメリカ、イリノイ州にあるイリノイ大学の獣医学部に留学し、WEAMS:Wild and Exotic Animal Medicineのチームで研修を行ってきました。ここでは、常勤獣医師が5名在籍し、鳥の認定医、爬虫類の認定医、小型哺乳類の認定医など、経験豊富な獣医師が来院した動物の診療、学生への教育を行っていました。今回は、このWEAMSの教室をアップしようと思います。




大学の空港

イリノイ大学はシカゴにもありますが、私が行ったのは、シャンペーン・アーバナ地方という、シカゴから車で2時間の距離のところに滞在しました。この大学はとても大きく、空港も大学の敷地内にあります。ただ、空港自体は小さく、タクシーも待っていませんでした。上の写真は空港の駐車場ですが、がらーんとしています。
 

獣医学科校舎

獣医学科の校舎はシャンペーン・アーバナ校、敷地内のはずれにあります。ここに毎日バスと自転車で通っていました。とにかく大学が大きいので、バスのルートも煩雑で訳がわからず、なんとか、バスで校舎の近くまで行き、後は自転車を使って通学していました。バスのない早朝は、自転車で1時間半かかって通学していました。行くだけでへとへとです。他の学生や先生方は車で通っていました。アメリカは車社会。話には聞いていましたが、車のない私には、少々大きすぎる大学でした。



WEAMSの診察室


Zoological Medicine and Surgery、現在のWEAMSは、通常の犬猫の診察室よりも離れたところにあり、デリケートな鳥、エキゾチック動物への配慮が伺えました。


校舎内

校舎は増築を重ねたらしく、迷路のようでした。WEAMSは犬猫、産業動物以外の動物を一手に引き受けてはいましたが、X線、CT、MRIなどのImagingが必要なときは、地下にあるImagingの教室まで、延々と歩かねばならず、ある時は小さなカナリアを抱えて、またある時は300Kgを超えるトラをストレッチャーに乗せて校舎を歩き回りました。
 
 
 

診察室、医局

学生が集まる医局のようなところです。大きな画面にX線の写真を写して、ディスカッションをします。
 
右はDr.Welleです。このDr.は、鳥の医療にたずさわって20年以上のキャリアを持ちます。AAV:Association of Avian Veterinarians(アメリカの鳥類医療の学会)の教育部門に関わり、この大学で、エキゾチック動物の診療を行い、学生に鳥類医療を教えています。この方に呼んでいただき、今回の留学が実現しました。
 
 
診察室は2つあり、どちらも広かったです。
 
 
 
 
おしまいに、鳥の写真を一枚・・・

今日の鳥:Red Throated Hummingbird(In U.S.A.)

ハチドリです。日本ではまずお目にかかれないと思います。しかし、イリノイでは普通に庭先にブーンと飛んできたりするので、全くめずらしくないようです(本当にハチのようにブーンと飛んできます)。ハチドリ用の餌がホームセンターに売っています。この鳥、体重が2.5gしかありません。体を維持するのに常に、高いカロリーを摂取せねばならないのですが、夜間は餌を摂取することが出来ません。その間、彼らの代謝はどうなっているかご存知でしょうか?私がお世話になったDr. Welleは、こう言っていました。”ハチドリは毎日夜間になると冬眠するんだ” ”驚きの鳥だろ?”
・・・確かに。毎日冬眠する鳥って面白いですね。この鳥は、民家の窓の下でうずくまっているところを発見されました。レントゲンもとりました。歯科用のCR(コンピューターレントゲン)を用いてみたところ、特に骨に異常はなし、ということで、翌日元気に羽ばたいたため放鳥されました。忘れられない鳥です。